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ひととあやかしが共に暮らすことができる、最後の聖域。四国・高知の山奥にある隠れ里。茂伸(ものべの)――「恐れ」が変質していく中、誰からも恐れられなくなり忘れ去らて、消えようとしていくあやかしたちが、逃れるように集ってくる土地。もちろんあやかしだけでなく、たくさんの旅人たちをも受け入れているものべのには、誰が経営者ともしれぬ、古びた一軒の旅館があります。その旅館に釣れたて、捕れたての川魚たちを納品している、ふたごのような二身一対一体――つまり、からだはふたつにわかれているけれど、そのふたつワンペアで一体であるというあたかし――マコ(魚偏に麻 + 魚偏に古が正しい表記)の、まことこま。旅館の逗留客であったあなたと偶然に出会い、意気投合したまことこまは、あなたをものべの川での、フライフィッシングに連れ出し、釣れたての魚を川原であざやかに調子して、ふるまってくれます。宿の部屋には入ったことがない、というまことこまを自室へと案内すると、お礼の耳かきタイム。海からきたまことこまが駆使する「波音を響かせる、魚の骨製の耳かき」は、その独特の柔らかさと波音とで、あなたの鼓膜をここちよく揺することでしょう。海からきて、けれど海へは帰れぬまことこまと過ごす時間で――どうぞあなたのこころの奥底に眠っている懐かしい海の記憶をも、揺すぶられていただけましたら幸いです。

イラストレーター : はすみ

シナリオ : 進行豹